みみたぶ家では、夫が第1子の産後に1週間・第2子で1ヶ月間の育児休業を取得しています。
この記事では、1ヶ月の育児休業を取得するにあたっての実体験を紹介します。
Contents
日本における「男性育休」の実態
厚生労働省の2017年度調査によると、男性の育児休業取得率は5.14%(過去最高)。事業者別にみると、金融・保険業(15.76%)、情報通信業(12.78%)が高かった。
※全国の6160事業所(従業員5人以上)を対象に調査し、62.8%から回答を得た
<出典:日経新聞 2018/5/30朝刊>
ただし、男性の場合はいずれも1週間以内の短期取得が中心で、どちらかというと有給休暇に近いのが実態。
以上から、
1ヶ月以上の男性育休取得者はレア!現状の取得難易度はかなり高いと言えるでしょう。
夫の「男性育休」取得理由
- 両実家が介護を抱えており、産後の支援を期待しづらい状況だったから
- 家庭にフルコミットできる一生に数回のチャンスだったから
- 無給分が育児休業給付金&社会保険料免除でまかなえる、許容範囲内だったから
職場に対しては「必然性のある取得である」ということを強調し、①の理由をメインで伝えました。
夫はなぜ本気で「男性育休」取得に向けて動けたのか?
職場の要因
夫の会社でも例にもれず、男性育休は相当のレアケース。それでも取得できたのは、職場の理解と協力があったからこそです。
主な要因は3つ。
- 取得時期が繁忙期ではなかった
- 長期で成果を出せさえすれば、自分の裁量で進められる仕事に従事していた(当時)
- 「保育園送迎のために原則定時退社し、保育園からの呼び出しに対応しなければならない人」と職場に認識されていた
(※第1子が産まれて以降夫婦双方が育児の主担当をしていた)
夫は第1子誕生後2年間で「やむを得ないトラブルがない限りは定時までしかいない人」というワーママに近いポジションに身を置いていました。
そこに至るまでには、以下のプロセスをたどっています。
- 保育園送迎のため+業務上の事情で、仕事の効率化をせざるを得ない状況になる→
- プログラミング等を独学し、仕事の効率化(自動化等)を進める→
- 効率化したツールを仲間に共有する(仲間へのメリット)→
- 定時退社が可能になる(「夫がいなくても仕事は回る」と周囲の理解が進む)
男女いずれが育休を取得するにせよ、業務のしわ寄せという意味で職場への迷惑はかかります。しかし、取得前に「自分がいなくても仕事が回る体制」の構築に努めたことで、職場からの理解の得やすさにつながったようです。
本人の要因
- 一度やると決めたら人の顔色をうかがわない性格だった
(鈍感力が強かった 笑)
2018年現在において、男性の育休取得=その職場で初めての事例である可能性が高いです。定時退社を原則とする働き方も、限られた職種でない限り非常に難易度が高いでしょう。今までに実績がない働き方を選ぶことで、心配になるのが「仕事へのやる気を失ったと判断され、干されるリスク」です。
わが家の場合は、
夫の「あえて空気を読まない鋼の心」&妻の「あんたが干されたら、その分アタイが稼ぐさ」
という精神論で、清水の舞台から飛び降りました。笑
「男性育休」取得前にやっておくこと(職場編)
育児休業の取得パターン・期間の検討
取得パターンは複数あります。
- 産後バックアップ型(産後6〜8週間に、産褥期のケアおよび育児を行う)
- 一部or完全並走型(妻と同期間の育休)
- バトンタッチ型(妻の職場復帰後に、代わりに育休を取る)
わが家では第1子がイヤイヤ期ど真ん中だったため、産後バックアップ型を採用しました。また、期間は産褥期終了に合わせ、1ヶ月に決めました。
上司・周囲への根回し
最難関がここでしょう。仕事は人と人のやりとりなので、相手の立場に立った不安解消を心がけたいもの。取得を決めたら、安定期以降で早めに上司や周囲に育休を取りたい旨情報を入れておきましょう(取得希望期間も含む)。業務内容や不在期間に応じて、既存の要員でカバーできるか・人員補充が必要か等の人事調整が発生するからです。
夫の場合は、以下の2つを職場に働きかけました。
1:取得前に仕事の成果を上げておき、取得=キャリアを降りるつもりではないことを行動をもって意思表示する
前述の通り、職場に対して以下の手法で「仕事に対して熱意を失ったわけではない」と伝え、裏付ける実績づくりに努めました。
- 第1子育休復帰後以降「やむを得ないトラブルがない限りは定時までしかいない人」のポジションを確立する
(①業務量自体は減らないため、Excel VBAなどを使った業務の自動化・効率化でダウンサイジングする
②①を他者へも水平展開しメリットを共有することで、周囲の理解を得る) - 不在時にも仕事が回るよう可視化しておく
2:短期的にはマイナスだが、長期的には上司や会社にとってプラスになることを説明する
経営目線でのメリットから、「組織への投資として、男性育休の取得に挑戦したい!」との意思を伝えました。
- 男性育休の取得実績を作ることで、優良企業として就活生への付加価値が働き、優秀な人材を採用できる可能性が高まる
- 類似の事象(育児・介護・病気・怪我等)や急な退職が発生した際、人が抜けても仕事が回る仕組みを定着させるチャンスになる
難色を示された場合には、
「上司は何に不安を感じ、難色を示すに至ったのか?」を丁寧にヒアリングし、win-winになるよう再交渉をすることが望ましいです。
引き継ぎ・挨拶
基本的には転勤・転職時と同様です。
- 極力業務整理を行い、代理の担当者が困らないよう計画的な引き継ぎを心がける
- 利害関係者に不在期間・代理の担当者について連絡する
- 不在中の緊急連絡先を引き継ぎ相手に伝えておく
- 最終日に菓子折り配布(※職場の文化・習慣にあわせてください)
まとめ
- 厚生労働省の2017年度調査によると、男性の育児休業取得率は5.14%(※ただし大半が取得期間1週間以内)
- 「両実家の支援が得づらく、やむをえない取得である」という取得理由を強調した
- 男性育休取得による、経営目線での長期的なメリットを強調した
- 第1子育休復帰後以降「業務を最大限効率化・可視化し、やむを得ないトラブルがない限りは定時までしかいない人」というワーママ的なポジションを確立していた
- 最後は「なにがなんでも取る」という覚悟で、周囲への忖度を捨てる
尚、男性育休をはじめとする両立支援については、
平成29年度 厚生労働省委託事業「父親の仕事と育児両立読本-ワーク・ライフ・バランスガイド-」※リンク有にとてもわかりやすくまとめられています。
「育休とはなんぞや?」にはじまり、いろんなお父さまがたの事例紹介有り…の60ページにわたる入魂の資料!しかも無料!!わが家ももっと早く知って読みたかったです。
続編では、家庭における事前シミュレーションや、実際に育休を取った結果どうなったかを紹介します。
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